11.北極圏は白人居留地か。
時速30キロ、ここの人たちは順法精神の高い人たちだ。
おしゃれな標識、彼らのセンスに脱帽。
空港で出会った彼と再会、記念の一枚。
 砂利道のマッケンジーロードを町の中心に向かって歩いた。時々車がライトを点けて走ってくる。車の中の人みんなが手を上げて挨拶をしてくれる。みんなの表情が、とても穏やかなのが気持ちいい。また、この道路の制限速度は時速30キロとなっており、みんなそれを守っている。時々若い人が四輪バギーを30キロオーバーで走っている。日本の若者がバイクに乗るような感覚なんだろう。

 30分ほど歩いただろうか、ぽつぽつと建物が現れていた。たぶん町の中心部分に来たみたいだ。人も、のんびりと歩いている。すれ違う人みんながハローと声を掛けてくれる。大人も子供も。西洋の国では、エレベーターの乗り込んだときにハローとか、グッドモーニングと挨拶するのと同じような感覚だ。これって、よく言われるように一種の危険回避の行動から来るものなのか、それとも西洋の人って、他の人たちに対してフレンドリーなんだろうか?はたまた、単に田舎だからなんだろうか?

 ノーマンウェールズは石油の町で、その関係者だけで成り立っている町のようだ。この町で出会った人のほとんどが白人ばかりで、通りに面して美しく並んだ住宅も、ほとんどが白人の住宅だ。途中、こんな所になぜ?と思うようなアパートが3棟ほどあったのは、インディアンの出稼ぎ労働者住宅だった。そんなアパートの前に空港で声を交わしたインディアンの男性がいたので挨拶をし、一緒に記念写真を撮った。 彼も、200キロほど離れたインディアンの集落から働きに来たそうだ。

 この町で、見かけるインディアンのほとんどが出稼ぎの人なのかも知れない。こんな北極圏の大自然までもが白人居留地になっているのかとショックがいっぱいのノーマン・ウェールズの第一印象だった。
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