10.北極圏は熊の国?すごい所へ来たぞ。
左がレストラン、右がホテル。
熊よけのマスタードスプレー
日本で、こんなナンバープレートを付けたい!
 2.3分でホテルに着いた。名前は“マッケンジーヴァレーホテル”。すごく格好いい名前だが大きなコンテナを継ぎ足したような建物は、一昔前のカラオケボックスのようで名前とは不似合いだ。ホテルは二人の中国系カナダ人女性が切り盛りしていて、建物の右半分がホテル、左半分がレストランになっている。レストラン部分はドライブインで図体の大きな白人が朝食を食べに来たりコーヒーを飲みに来る。雰囲気で日本人とわかるらしく話しかけてきてくれる。図体は大きいが、みんな愛想のいい人達ばかりだ。こんな所でも、自由に英語が話せたらどんなに楽しいだろうと、英語の話せない自分が寂しくなってくる。本命のフォートグッドホープで楽しめるのか心配だ?

 荷物を部屋に置き、早速、この町の散策に向かおうとすると、先ほどの女性が「歩いていくんだったら、このクマよけスプレーを持っていきなさい。」と小型消火器のようなスプレーを持たせてくれた。そう言えば、ノース・ウエスト準州はクマの国だったんだ。自動車のナンバープレートもクマの形をしている。すごい所に来たんだと、だんだんその気になってきた。

 日本の山では、何度もクマに遭遇しているし、北海道ではクマに襲われた経験もあるのに、クマよけスプレーを持たされるとワクワクしてしまう。ちょっとクマに遭遇したいという気持ちも起こっている。 クマよけスプレーをリュックにぶら下げて歩くのは、ちょっとした冒険気分だ。石油採掘の小さな町ノーマンウェルズを歩くだけなのに・・・。

 ホテルの前の道路は、この町一の幹線ロードでマッケンジードライブと言う名前が付いている。道路に沿ってカナダ一の大河マッケンジー河が流れている。あまりの大きさに対岸が霞んで見え、まるで、湖のような感じがする。とうとうと茶色く濁った水が流れている。この河の別名は、レッドリバーとも言うらしい。

 この先200数十キロの所に今回の目的地フォートグッドホープの集落があるのだが、道路が無く、飛行機か目の前のマッケンジー河をボートで下るしか手段がない。ただ、冬季になると一面氷の世界になるので、スノーモービルでの移動が可能になるらしい。
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