冒険飛行の始まり始まり
Welcome to North !
冒険的飛行の始まり始まり!
砂利の滑走路とログハウスの飛行場事務所

目の前にはちょっと大きめのセスナ機が止まっている。このセスナ機を見たとたん、今から行くところへの期待が一気に膨らんできた。
しゃがみながら機内に入ると、乗客4名とパイロットが一人、そして僕の計6名が全乗組員だ。キャンバス地の折りたたみシートに三点式ベルト、気分は完全に冒険飛行だ。パイロットが振り向き、非常口、といってもパイロットが乗り込む小さなドアと、乗客が乗り込んだ入口の説明とシートベルトの説明をし終えるとエンジンに点火。プロペラが回り、いよいよ念願の“フォートグッドホープ”への飛行だ。
雲が多く、下の景色はあまり見えないのだが、雲の切れ間に見える景色は、ジェット機の時と違って地面がぐっと迫っている。
僕の前に座っている女性は、ノーマンウェルズの空港で見かけた女性で、大きな荷物を持っていたので長期の滞在なんだろう。凛としてとても美しいのだが、近寄りがたい雰囲気が漂っている。たぶん、カナダ政府関係の人だと思う。この雰囲気は、ネパールの国立公園チトワンでのネパール人を従えたイギリス人の時と同じような雰囲気だ。僻地の人に対し、何かを教えてやるんだ、という威厳のようなものがプンプン感じられ、北極圏における少数民族と西洋先進国との対比、対立の一端が見えたような気がした。
パイロット席の後ろは、やはり大柄な白人男性。その後ろは、インディアンの人。
その後ろは、首も体も回らないので見えないが、みんな窓の外には感心がないらしく、本を読んでいる。それに引き替え、僕は、窓の外の景色とパイロットの仕事ぶりに釘付けになっていた。厚い雲を突き抜け降下を続けると目の前に小さな小さなグラベル(砂利道)の滑走路が見えた。滑走路と言うより砂利を敷き詰めた空き地って感じだ。想像していた以上にすごいところに来たんだと、体中が興奮している。
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