タエコ・メッツラー
ポカリの新アメリカ日記(2)
トミーが窓からおっこちた!(1)
アメリカではキリスト教が社会をリードしている!?(イメージ写真です)
 我が家の第二子の斗宇真(とうま)が今年(2005年)5月2日に窓から転落した。4才の誕生日の次の日だった。

実は転落と言っても地面から窓まではたった1メートルしかない。だから最初私は「なにしてるのー、トミー」と笑っていたのだ。ところが笑っている場合ではなかった。ちょうど窓の下には細い木が折れていて、しかもその先が尖っていたのだ。そしてその先がトミーの耳にささったのだ。ああ恐ろしい!

 もう夜八時を過ぎていた。マークがあわててトミーの血がたらたらたれている耳をタオルでふきながら車で救急病院までいった。私はカイリとルクを寝させないといけないので、仕方なく家でマークからの電話を待っていた。ところがいつまでたっても電話がならない。トミーの事がおそろしく心配になってきた。

 やっと12時をを過ぎたころに電話がかかってきた。実はお医者さんがトミーの耳の事を「私の手には追えないので、専門の病院に移さないといけません」っと言った時に、マークは恐ろしくなって気絶してしまったそうだ。それで気が付いたらたくさんの看護婦さんにかこまれてベッドに寝ていたそうだ。(なんということだ!)その後トミーの窓から落ちた状況を看護婦さんに話そうと思って起き上がってみると吐きそうになり、トイレにいったんだそうだ。

 なるほどそれでなかなか電話がかかってこなかったのかー、と納得している場合ではない!マークがもうふらふらでだめなので、私が交代でトミーを耳の専門病院に連れて行かないといけなくなった。  病院にあわてていって、看護婦さんにトミーの様子を聞いてみると、手術が必要だといわれた。

 私が「えー?」と頭をかかえこむと、看護婦さんは慌てて「あなた大丈夫?あなたまで気を失わないでね。あなたの主人は2回も気を失ったのよ、どうしようかと思ったわ」といわれた。こっちも電話がかかってこなくて、どうしようかと思ったわ、と思いながら、トミーのベッドにいってみると、寝ていたトミーが起きてきた。一緒に車に乗った時、トミーが「何であの車、青い光がピカピカ光っているの?おかしいねー」と言ったので、私はトミーの頭は大丈夫だと思ってほっとして涙がでてきた。(こんなしょうむない言葉で喜んで泣くなんて、自分はあほいなあ、と思った)けれど私は母親なのに、トミーの耳はとても恐くて見れなかったので、私は自分をたいそう情けなく思った。(でもトミーの父親よりはましか?)(つづく)

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