タエコ・メッツラー
ポカリの新アメリカ日記(2)
トミーが窓からおっこちた!(2)
「ぼくねー、大きくなったらクリスティちゃんと結婚したいなあ、って考えてたの」
 耳の専門のお医者さんがいる、オースティンの子供病院に夜中の2時ごろに着いた。
受け付にいくと、すぐに看護士さんが来てくれて、トミーの体重を計ったりしてくれ
たのだけど、急にこの人が、「あんたの娘は元気?」と言ったので、えーなんで娘が
いる事をしっているんだろう、と思っていたら、「僕はブリエノ先生のところで働いていた看護士だよ、覚えてる?あんたの娘は予防注射がいやであばれて僕の事をけったじゃないか」といわれ、ようやく思い出した。そうだった、この人は子供達のいつも行っているクリニックの看護士さんだったんだ。

 そういえば、カイリはうちの子の中では女の子なのにいちばんやんちゃで、予防注射のときはいつでもあばれて困るのだ。

この間なんてさんざんあばれた後に注射をしてもらって、その後その部屋から逃げていったので、看護婦さんが、「だれかー、その子供を捕まえて!!」と叫んだくらいだった。(しかしちょっとこの看護婦さんもオーバーではないか?)探したけれど、どこにもいない。しかたがないのでトミーとルクの注射をしてもらってから、探そうと部屋を出て行くと、かいりがそのドアのうしろに隠れていた。

何をしているのかと思ったら、 トミーとルクが注射をされるを見るのがかわいそうで隠れていたのだそうだ。(なんて優しい子だろう。。それなのにあの看護婦さんはまるでカイリがいたずらでもするかのように、叫んだのだから、ひどくないですか) トミーと私は病室に入れられて朝まで待たされた。ビデオでも見ておきなさい、とリモコンをわたされたけど、だれがこんな夜中にテレビを見る人がいるのだろう。。

でもトミーも興奮してか眠れないようだった。ぼーっとしているので心配になって、「何を考えてるの?」と聞くと、「ぼくねー、大きくなったらクリスティちゃんと結婚したいなあ、って考えてたの」と言うのでずっこけた。ももたろうやいろいろな昔話などをしていたら朝になった。(つづく)

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