7.B&Bでカナディアンライフを体験!?
北極の雰囲気がいっぱいのイエローナイフの空港
エドモントンの新婚さんとの朝食。
楽しかったイエローナイフのB&Bのひと時。
 イエローナイフには夜の11時過ぎに着いた。11時過ぎというのに太陽が西の空に輝いていて、白夜の世界に入ってきたんだというのが実感できる。ここイエローナイフはノース・ウエスト準州(N・W・T)の州都であるし、冬のオーロラ見物にたくさん(約3000人ほど)の日本人が訪れるというので、もっと大きな空港かと思ったのだが、小さな空港なのにびっくりした。また、空港の外に出ても何にもない所なのにもおどろいた。しかし、よく考えてみれば、日本のように人家密集の所に空港を造らなくても、土地はイヤと言うほど有るんだというのが解った。小さな国“日本”を基準に物を考えている自分がおかしかった。

 朝までの数時間、この空港で過ごしてやろうと思ったのだが、警備の人が扉を閉めるので荷物を出してくれとのこと、建物の外に荷物を持って出ると、ほとんどの人はどこかに行ってしまいエクスプローラー・ホテルのバンが一台、お客さんの荷物を積み込んでいるところだった。ドライバーのお兄さんに一泊いくら?と聞くとカナダ130ドルとのこと。空港で一晩明かそううと思っている僕にとって数時間の安眠のために130ドルはバカらしいと思い、もう少し安いところがないか探してみることにした。

 誰もいなくなった空港にたった一台残っていたタクシーにどこか安く泊まれるところがないか探してもらう。深夜にも関わらず、空港そばのB&B(Bread&Bedの頭文字で民宿のこと)が35ドルで泊まれるので、そこに行ってもらった。ちょっと頑張れば100ドルも安くなったのだ。

 それにしても、今までの行程で思ったのは、どの空港に着いてもアジアのような客引きが居ないことだ。みんな、こちらからアクションをおこさないと何にも言ってこない。西洋とアジアの違いなのか、都会と田舎の違いなのか、こうまで雰囲気が違うのには驚いた。

 普通のお家風の階段を上りドアをノックすると優しそうなおばさんが出てきて快く迎え入れてくれた。外の明るさに、深夜と言うことも忘れて遅くまで、何処へ行くのだとかの話をしていた。日本の女性が一人泊まっているとのことが話の中に出ていたのだが、現在形なのか過去形なのか判らなかったので「そうですか。」と、愛想のない返事をした。

 翌朝ダイニングルームに行くと若いカナダ人のカップルがテーブルに着いていた。エドモントンの人たちで結婚4週間目で新婚旅行にこのイエローナイフにフィッシング新婚旅行に来ているとのこと、シンプルな新婚旅行がとてもたのしそうだ。ちなみに、ここのご夫妻は結婚45年目だそうだ。

 優しく多弁なB&Bのご主人と奥さんが食事を作る合間合間に、今までに泊まった人たちの写真を出してきては説明してくれる。そして、お部屋自慢や、毛皮を出しては楽しまそうとしてくれるのだが、このように歓迎していただくと、ほんの数時間の睡眠のために泊まっただけなのが申し訳なかった。

 トースト、パウンドケーキ、ジュース、コーヒー、オムレツ、カリカリベーコンと、満腹の朝食をいただき、出発の用意をしていると、若い日本人女性が部屋に現れた。この人が、昨夜、話題に出ていた人で千葉県の人だった。彼女は一人で昨年カナダから独立したヌナブト自治州の州都へ行っていたそうで、インディアンの情報を聞かせてくれた。

 ヌナブト自治州の州都では、天気も悪く雪も降っていたりしていて、ほとんど人と出会わなかったという話や、おみやげ物を扱っている白人の人たちとしか口を利かなかった話に、行き先は違うが、行った先でいろんな人と交流ができるのかとても不安になってきた。
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