町外からの提言
「弓削島の山野を憂う」
 
フリーフォトジャーナリスト
京谷 寛 きょうたに かん
 愛媛新聞の記事へ
 わたしは、摘み菜を伝える会の平谷さんと弓削町の皆さん達と一緒に、野の草花を通して弓削の自然をウォッチングしています、フリー・フォト・ジャーナリストの京谷 寛と申します。
日本はもちろん世界のいろんな国を歩き、世界の文化・自然を見つめることにより、
今の生活、これからの生活を見つめ直せればとリポートを続けています。

 一年前より弓削島の野草ウォッチングを続けている中で、弓削でないと見つけられない草花もいくつか見つけることができ、弓削島の自然の豊かさに驚き感心しています。また、この島の人たちのホスピタリティー(人をもてなす心)がとても素晴らしいのにも感銘を受けています。
しかし、一年近くこの島をウォッチングしてきて、だんだん気になることが見えてきました。それは、この島も日本中が抱えている竹の異常増殖に陥りかけていることです。

 わたしの住んでいる関西(特に京都)は竹林の多い所で、京都の嵯峨野は美しい竹林で有名です。しかし、多くの竹林は手入れがされず放置されたままになっており、ものすごい勢いで勢力を広げ、田畑に侵入してきたり、多様な雑木林の里山という里山を竹林に変えつつあります。変えつつ、と言うより、変えてしまったと言っても言い過ぎではない所がたくさんあります。

 広葉樹の山が竹林になることにより、保水力の低下で土砂崩れのおそれも増えてきます。そして、私が一番気になるのは、多様な植物に恵まれた弓削島が単純な竹林になってしまうことが
とても寂しいのです。

 豊かな自然を持った弓削島にも、竹の脅威が迫っているのが気になります。しかし、
 今、手を打てば間に合う。今なら大丈夫、そんな想いで提言させていただきます。

弓削の人達と一緒に、野草を通して弓削のすばらしい自然をウォッチしています。

京谷 寛 フリー・フォト・ジャーナリスト
1949・1/17 大阪生まれ
大阪市立工芸高校写真工芸科卒後、ソ連邦の新聞“エコノミーチェスカヤガゼータ”の契約ジャーナリストとしてフリーフォトジャーナリストとの活動を始め、いろんなメディアに記事・写真を配信している。
子供の教育環境、生活をテーマに日本中や世界を取材中。
著書に「シルクロード西へ」がある。
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