1. 竹って、とても素晴らしい植物です。


 昨年、カナダ北極圏ノースウェスト準州の小さな小さな陸の孤島フォート・グッド・ホープというインディアンの集落に取材に行き、生まれて初めて狩猟民族の生活を体験してきました。
 その村の子供達がインディアン的生活を教えてくれるのです。動物の足跡から何の動物なのか?小石を水面の上を何回ぐらいジャンプさせられるのかとか、弓を的に当てる事などです。
そのほとんどが、日本の子供達もしていることに「日本人と一緒や!」と、親近感いっぱいのインディアンの生活でした。

 弓遊びの時、北極圏にはカナダ・トウヒという針葉樹しか無く、子供達が扱えるのはその枝だけでした。反発力もなく、射られた矢は目の前にポトンと落ちるのです。そんな体験をしたときに"竹"という素晴らしい素材を持っている日本の子供の方が「ずーっと恵まれてるやん!」と思ったものです。

 彼等のテントの支柱も、カナダ・トウヒの丸太を使うのです。「竹なら軽くていいのに」と竹を羨ましく思っていました。

彼らの生活のすべては、カナダ・トウヒの木材だった。
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