夢にまで見た国に到着
飛行機の周りにはインディアンの人たちが寄ってきた。
飛行場と村を結ぶ唯一の道路
フォートグッドホープの中心を望む

 着地してターミナルに飛行機が横付けされて、またまたビックリ。バンクーバー、エドモントン、イエローナイフ、ノーマンウェルズと 着陸を重ねるたびに空港が小さくなってくるのだが、ここフォートグッドホープの小ささは、想像をはるかに越えていた。砂利道のような滑走路に着陸したのだ。

 荷物を引き取りに来た人達が寄ってきて飛行機のまわりは、ちょっとした賑わいになっている。この人達がこの飛行機に乗ってどこかに行くのかと思ったら、荷物を車に乗せた車からがどこかに消えてしまった。

 空港は一気に静まりかえり、また、ここでも一人、取り残されてしまった。 今までも、取り残されたときの心細さは、相当な物だったけれど、ここでの心細さは極限状態だ。
ただ一人残った空港職員、といっても普通のおばさんって感じの人にタクシーはないか?と尋ねたが無いと言うし、ホテルは?と聞いても困った顔をするだけで要領を得ない。

 雨も降る中、どうすればいいのか途方に暮れているとき、一台のピックアップが忘れ物を取りに戻ってきた。途方に暮れた顔をしている僕を見て、集落まで 送っていってあげようと声を掛けてくれた。神様・仏様!そんなありがたい気持ちで助手席に乗せてもらった。

 ワイパーが雨を拭うたびに今まで北極圏の見慣れたスプルースというカナダとう桧が目の前に広がる。その中を突き抜ける砂利道を15分ほどでヘアーインディアンの集落に入った。一望できる範囲がフォートグッドホープのすべてだ。それぞれの家の庭先にはティーピー(インディアンテント)があり、一見してインディアンの集落と判る。そして、そのテントが観光のための物ではなく、その人達の日常に使っている物だというのが村のありようですぐに理解できた。

町を貫く通りをマッケンジーストリートといい、その道を数人の人が歩いている。その情景を見ていて、この人達と交流が出来るのか自信が持てなかった。交流を持てそうな、きっかけが見つかりそうになかったからだ。
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