2. 日本の竹、タケノコが商業的に利用されなくなった。

 子供の頃、竹林にタケノコを掘りに行ったり、朝堀のタケノコを売りに来るおばさんを見なくなったりとか、竹の物干し竿を使わなくなった今、気が付けば東南アジア産の竹細工製品や、中国産のタケノコばかりに・・・、日本の竹細工製品やタケノコは商業的に成りたたなくなり、竹林が放置されるようになってしまいました。

 放置されるようになった竹林は、一気に過密状態になり勢力を竹林の外へ外へと広げています。植物はエネルギー源を太陽光としているため、植物界は太陽光の取り合いの世界です。一・二ヶ月もすると一気に成長してしまう竹は、他の植物に光を与えることなく、竹だけが成長し、ますます竹の勢力圏を広げ、一面を竹林にしてしまっています。

3. 竹林の拡大に気が付きにくい。今なら、まだ間に合う!

 大きな視点で見ないとわかりにくいのですが、竹(特に孟宗竹)は、光を求めて斜面の上へ上へと広がって行き、生活している人たちの目には、竹林の広がりが分からない場合が多いのです。気が付いたときには、手が着けられないほど竹林が広がっているのです。

 竹林が広がって困っている所の多くは、山の斜面、それもかなり上まで竹林が広がっています。竹は、生活に便利なため、住居のそばに植えられていて、切り取りやすかったのですが、山の上まで広がった竹は、切り出すのに非常な困難を要します。杉や檜の間伐をする人たちが高齢化のために居なくなったのと同じ事になりつつあります。

 この弓削島も船から見ると、いたる所で竹林が山の斜面を上へ上へと広がっているのが見えますが、今なら間に合う!という瀬戸際ではないかと思います。

 我々の身の回りにある竹は、孟宗竹(モウソウチク)・淡竹(ハチク)・真竹(マダケ)で、今、問題になっているのがタケノコを採るための一番太く大きくなる孟宗竹(モウソウチク)です。

海から見ると、竹林の大きさがよくわかる。
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